トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


私はちんぷんかんぷんの状態で、そのイケメン男子の顔をまじまじと見つめた。
爽やか過ぎる。
切れ長の奥二重の可愛らしい瞳に小さな鼻と口角の上がったアヒル口。
三秒見つめただけでドキドキして目をそらしてしまった。
直視なんてできないくらい輝いている。
クールミントの香りが漂ってきそうな爽やかな好青年は、どういうわけか、私の事を知っているらしい。

「私の事、知ってるんですか…?」

好青年は笑いながら、ごめんごめんと言う。

「僕の自己紹介がまだだったね。
今日からフリージアに配属になった京極唱馬といいます。
さくらちゃんの事を何で知ってるかというと、さっき環奈ちゃんと同じ年トークで盛り上がってたんだ。
僕も1995年生まれ、だから同じ学年、この学年はフリージアには僕と環奈ちゃんとさくらちゃんの三人だけらしい。
だから、勝手に親近感抱いてゴメンね」

今日からこのフリージアに配属で、京極なんちゃら??

「あの、京極って苗字って事は…」

「そうだよね、ばれるよね。
僕の実家は宮城県にある馨月亭。ゆくゆくはそこの跡を継がなきゃならない。
そのためにこの本家に修行に出されたってわけ。
本館に三か月くらい居たんだけど、僕の話は知らなかった?」


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