トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜
「忘れないけど。
でも、もしさくらが俺を選んだら、その時は困らせずにちゃんと手離してやれよ」
「選んだらって…
慈恩は、人の彼女を奪い取る事を考えてるの?」
「奪い取る気はないよ。
それは彼女が決める事だから」
唱馬は、俺の前に回り込んでこう言った。
「もう、さくらは僕に決めたんだ。
だから、邪魔しないで、お願いだからさ」
俺は鼻で笑った。
肩をすくませ、少し小馬鹿にしたように。
そして、それ以上は何も言わない。
唱馬は可愛い従弟だけれど、でも、俺は一切手を抜く事はしない。
さくらは、もう俺のものだと決まっている。
それは二人が出会った時から…
いや、二人が生まれ落ちたその時から。