トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


今夜、唱馬はここへは来ない。
宮城の親戚の誰かが京都へ来ているらしい。
唱馬は家族を大切にする。それが親戚だって同じこと。
今日は親戚の叔父様夫婦と食事に行くから会えないと、さっき連絡があった。
この狭い部屋が何だかガランとして広く感じる。
しょっちゅう、私に会いにきてそのまま泊っていく唱馬の存在は、まるで空気のよう。
唱馬を愛している…
その気持ちに間違いはないけれど。

私は着替えをして一人分の夕食の準備をしていると、珍しくスマホにメッセージが入った。
インスタでもラインでもない着信音に、何だか違和感を覚える。
スマホを見ると、その文面ですぐに専務だと分かった。

「処方してもらったビタミン剤は、ちゃんと飲んでますか?」


< 127 / 180 >

この作品をシェア

pagetop