トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


私は可笑しくてクスッと笑う。
確かに、浅見先生は皮膚を活性化させるビタミン剤など、たくさんの飲み薬を処方してくれた。
でも、帰りの車で、そんな薬の話題にはならなかった。
専務がその事を知っているという事は、浅見先生と何か話したに違いない。
私はやりかけの料理を途中で投げ出して、スマホの文字をずっと見つめている。
専務のはにかんだ顔が頭の中に浮かんできて、それだけで心がときめいてしまう。
私はすぐに返信のメッセージを打った。

「今から夕食なので、その後にちゃんと飲みます」

そんな短い文を送るだけなのに、心臓がバクバク止まらない。
きっと、専務との関わりを求めている私がいる。
理性では抑えきれない激しく燃える感情をコントロールできない。
私は何も考えずに送信のボタンを押した。
でも、すぐに専務からの返信はなかった。
スマホを大切に抱えながらソファに座っていたけれど、五分ほど過ぎて、私はまたキッチンに立っている。


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