トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜
「俺のマミーは京都の自然が大好きだった。
川のせせらぎ、満開の桜、萌えるような紅葉、瑞々しい青葉、とかね。
そんなマミーのためだけに、この忘れられていた土地にライトを取りつけ、ベンチを作り、くつろげる場所を作った。
マミーは夜に見る紅葉が大好きだったんだ」
私は専務の心臓の音を聞きながら、専務の大切な思い出話を聞いている。
専務もお父様もお母様の事が大好きだったのに、なんで別れてしまったのだろう…
「それと話は違うけど、浅見にものすごく叱られた。
アレルギーってすごい怖いものなんだって。
今回は皮膚の発疹だけで済んだけど、命を落とす場合だってあるんだって」
私は専務が可哀想に思った。
そんなに責任を感じなくてもいいのに。
「今日、ここに来たのは、さくらにこんなに美しい京都の紅葉を嫌いになってほしくなくて。
トラウマとか嫌な思い出とか、そんな風になったら悲しいなって思った。
俺がしでかした事なんだけどね」