トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


「ねえ、慈恩様っていうのはやめて。
それに俺はどちらかというと、不親切な人間だと思うよ。
でも、何なんだろう、この気持ち。
さくらには親切にしたいって思ってしまうんだ」

「さ、さくら?」

唱馬の呼び捨てにはもう慣れてときめく事もなくなった。
でも、慈恩からの突然の呼び捨てに、私は胸の高鳴りが止まらない。
恋をすると人は盲目になるという。
この激しくときめく初めての感情に、私の頭も心も身体もついていけない。
もう、何もかも投げ捨てて慈恩に付いて行きたいなんて、勝手に思ってドキドキしている情けない私がいる。

「唱馬がさくらって呼んだ時、え?って思ったんだ。
さくらって、あのプロレスラーみたいな髪型の子だよな?って。
何か、大切な物を取られたみたいな気分になった。
だから、唱馬と仲がいいのなら、俺とはそれ以上に仲良くなる事、絶対に。
唱馬相手にバカバカしいけど、負けず嫌いの性格がそうさせてる」


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