トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜
「唱馬は、おばあちゃんが大好きだったんだね」
唱馬は正面に座る私を優しく抱きしめた。
「おじいちゃんの遺伝子が入ってるからね。
おばあちゃんみたいな子が現れたら、その遺伝子がすごい勢いで騒ぎ出した。
きっと、さくらみたいな子に、京極家の男子は弱いんだ」
京極家の男子?
私はすぐに慈恩を思い出した。
もしかしたら、慈恩もそうなのかもしれない…
そんな私の様子を唱馬はすぐに気が付く。
「慈恩の事を考えてるだろ?」
私は噓が付けず小さく頷いた。
「だって、おかしいと思ったから。
馨月亭の御曹司の二人が、どうして私なんかを好きになるんだろうって。
唱馬の話を聞いて、ちょっと納得した…」
唱馬は私を自分の近くへ引き寄せて、更に強く抱きしめる。