トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜
「何で?」
目を閉じたまま、唱馬はそう聞いてきた。
私のアレルギーは、一度発症すると中々治らない。
だから、発症する前に薬を飲んで抑え込むよう気を付けていた。
でも、今回は、そんな事を思い付く余裕もなかった。
アレルギーが本格的に出るなんて予想もしてなかったから。
さっき、化粧台の鏡に映した顔は、夕方より腫れているような気がした。
常備薬も飲んだけど、全然効いていないみたい。
という事は…
「なんか、がっつりアレルギーが出ちゃってるから…」
さっきまで目を閉じていたはずの唱馬が、今はパッチリ目を開けている。
私はこれ見よがしに大きくため息をついた。
「だったら、尚更行かなきゃ」
「それが、行きたくないの…」
私はキッチンに行って、冷蔵庫からペットボトルに入った緑茶を持ってくる。
そして、顔の腫れている部分にそれを当てて、笑顔で唱馬に目配せをした。