トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


取り残された俺は、愕然と立ち尽くす。
立ちくらみや頭痛や苛立たしさやありとあらゆる症状を受け止めながら。

唱馬とセックスをした…

静かな図書室に、また他の誰かの気配がする。
二宮さんが戻ってきたのだろう。
放心状態の俺を見て、きっと、笑っているに違いない。
放心状態??
こんなにショックを受けている俺は、完全にさくらに恋をしているのか?
そう確信した途端、俺はまたソファに倒れ込んだ。
さくらへの所有本能と唱馬へのジェラシーがメラメラと顔を出し始める。
こんなにも簡単に俺を打ちのめした女は、さくらが初めてだ。
さくらがほしくてしょうがない。
俺はイライラしながら、漠然とそう思った。
フリージアの図書室の空気は冷たく、少しずつ舞い上がった俺の頭を冷やしてくれる。
でも、この燃え上がる嫉妬の感情だけは、きっと、何をやっても消えることはない。


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