トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


「専務、15時からのミーティングは、そのまま参加で大丈夫ですか?」

専務…
昨日、内々で俺のポジションの正式な辞令が下りた。
馨月亭グループの次期社長というレールは、日に日に、頑強になっている。
あとは、俺の揺るがない気持ち待ちということだ。

「いいけど、どれくらい時間がかかる?」

俺は頭の痛みに加え、最悪な高揚感で脳みそが爆発しそうだ。
昨日、第一秘書に内定した大木君はタブレットをスクロールしながら、「一時間程度かと」と答えた。

「了解」

「資料はデータで送っておきます」

俺は片手だけ上げて、専務室へ入った。
会議の資料をとりあえず開いたけれど、全く見る気になれない。
俺はスマホのアドレス帳を開き、医療コンサルタント会社を経営している友達に電話をした。
考えるのはさくらの事ばかりだ。
あのさくらの肌のダメージは完全に俺のせいで、以前の綺麗な肌に最短で戻す事が、今、俺がやるべき事だ。どれだけお金がかかっても。
そして、今の俺に最も必要な情報を手に入れると、スマホをポケットにしまった。


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