トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


明治時代に建ったフリージアは、とにかくスタッフが使うための部屋が少ないし狭い。
昔の人間の考えは、そこで働く従業員の事は二の次三の次だったに違いない。
俺が休憩室でくつろいでいると、目を泳がせながらさくらが入って来た。

「もう、仕事は終わってる時間だろ?
コーヒー、飲む?」

俺は改めてさくらを見て、やっぱり可愛いと思った。
もう、本当にどうかしている。

「いや、まだ仕事中なので、要りません」

さくらって、おどおどしているくせに、言う事だけはしっかりしている。
優柔不断のように見えるのにイエスとノーをはっきり言える女性は、きっと、男受けがいいはずだ。
普通の女の子は、セックスしてます!なんて言わないはずだから…

「じゃ、早く仕事を済ませてきて。
コーヒー飲みながら、ゆっくり話したいから」


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