小さな願いのセレナーデ
確かに見た目は殆ど日本人だが……目鼻がくっきりとした深い顔立ちと、少し色が薄い瞳は、このオーストリアの血のせいなのかも知れない。
「何か本当にオーストリアの血を引いてるのかってぐらいクラシックに興味が無くて、劇場に誘われても断っていたんだよね。何か勿体無かったかもなって思い始めたよ」
そう言うが、まぁ若い人でクラシックに興味がある人なんて、ほんの一握りのような気はしている。
「そう言えば妹さんがおられるんですよね。妹さんおいくつですか?」
確かコンサートに行くきっかけは、妹さんの勧めだったはずだ。
「えっとね、十五歳?下かな」
「十五歳!」
「あぁ、異母妹…腹違いの妹なんだよね」
さらっと言うが、さすがに何かを言うのは憚られて黙ってしまう。
だけど彼はクスクスと笑いながら
「最初は色々と蟠りはあったよ。でも一緒に居るうちに懐いてくれて、すっかり絆されちゃったよ」と。
何だかその表情は柔らかくて、妹を思ってるのは本当なんだな、と言うのは何となくわかる。
大学の話を聞かれたのも、ひょっとして妹さんのことを思ってなのかな?とも。
「何か本当にオーストリアの血を引いてるのかってぐらいクラシックに興味が無くて、劇場に誘われても断っていたんだよね。何か勿体無かったかもなって思い始めたよ」
そう言うが、まぁ若い人でクラシックに興味がある人なんて、ほんの一握りのような気はしている。
「そう言えば妹さんがおられるんですよね。妹さんおいくつですか?」
確かコンサートに行くきっかけは、妹さんの勧めだったはずだ。
「えっとね、十五歳?下かな」
「十五歳!」
「あぁ、異母妹…腹違いの妹なんだよね」
さらっと言うが、さすがに何かを言うのは憚られて黙ってしまう。
だけど彼はクスクスと笑いながら
「最初は色々と蟠りはあったよ。でも一緒に居るうちに懐いてくれて、すっかり絆されちゃったよ」と。
何だかその表情は柔らかくて、妹を思ってるのは本当なんだな、と言うのは何となくわかる。
大学の話を聞かれたのも、ひょっとして妹さんのことを思ってなのかな?とも。