小さな願いのセレナーデ
「ところで、晶葉の家族は?」
「うーん、実質居ないって感じかな?と。幼い頃父が出ていっちゃって、母が再婚したんです。でも再婚したのが、いわゆる先祖代々続く地主さんの家で、だから私はそんなに必要ない子扱いされてるんですよね」
だから家ではバイオリンを弾くこと以外に楽しみが無くて、必死に練習して下宿生可能な高校の音楽科に入学して家を出たのだ。
「大学まで不自由なく学費を払ってくれたのは感謝してますが、色んな意味で家族かと言われると微妙ですね」
なるべく悲愴感を感じないように、さらりと言ったつもりだ。
だけど彼は、少し何か複雑そうな顔をして黙る。
そんな深刻に…と思いにっこり笑って見せると、ようやく口を開いた。
「まぁ、自分もそんな感じだよ。父親は仕事が忙しいし、母親は遊んでばっかりだったからほっとかれて育ったんだ」と。
「じゃぁ仲間ですね」そう返事をすると、ようやくはにかんだ笑みが見られた。
「うーん、実質居ないって感じかな?と。幼い頃父が出ていっちゃって、母が再婚したんです。でも再婚したのが、いわゆる先祖代々続く地主さんの家で、だから私はそんなに必要ない子扱いされてるんですよね」
だから家ではバイオリンを弾くこと以外に楽しみが無くて、必死に練習して下宿生可能な高校の音楽科に入学して家を出たのだ。
「大学まで不自由なく学費を払ってくれたのは感謝してますが、色んな意味で家族かと言われると微妙ですね」
なるべく悲愴感を感じないように、さらりと言ったつもりだ。
だけど彼は、少し何か複雑そうな顔をして黙る。
そんな深刻に…と思いにっこり笑って見せると、ようやく口を開いた。
「まぁ、自分もそんな感じだよ。父親は仕事が忙しいし、母親は遊んでばっかりだったからほっとかれて育ったんだ」と。
「じゃぁ仲間ですね」そう返事をすると、ようやくはにかんだ笑みが見られた。