小さな願いのセレナーデ
今日も、もう夕方五時になった。レッスンが終わり片付けが終わると、私は玄関まで先生を見送りに行く。
「今日はお兄ちゃん、もうすぐ帰ってくると思うんだけど……」
「えぇ知ってるけど迎えに間に合わないから帰るね。お疲れ様でした。また日曜日ね」
そうして躊躇うことなく、手を振ってドアを閉めて去っていく。
いつもこの見送る瞬間は、少し寂しい。
そしてしばらくすると、お兄ちゃんが帰ってきた。
「……もうちょっと早ければ、晶葉さんに会えたのに」
「仕方ない。俺も明日早朝のフライトだから」
お兄ちゃんに嫌みのごとく言ってみるが、相変わらず表情も変えずに淡々としている。
なんだかこの様子に、疑問が浮かんでくるのは当たり前で。
確かに晶葉先生と、お兄ちゃんの二人は付き合っているはず。
そう……二人は恋人同士のはずだ。
しかもお兄ちゃんがプロポーズをして、オッケーも貰っていたはずだ。
なのに……なぜだろう。どうしてか、二人の関係に変化は見られていない。
「今日はお兄ちゃん、もうすぐ帰ってくると思うんだけど……」
「えぇ知ってるけど迎えに間に合わないから帰るね。お疲れ様でした。また日曜日ね」
そうして躊躇うことなく、手を振ってドアを閉めて去っていく。
いつもこの見送る瞬間は、少し寂しい。
そしてしばらくすると、お兄ちゃんが帰ってきた。
「……もうちょっと早ければ、晶葉さんに会えたのに」
「仕方ない。俺も明日早朝のフライトだから」
お兄ちゃんに嫌みのごとく言ってみるが、相変わらず表情も変えずに淡々としている。
なんだかこの様子に、疑問が浮かんでくるのは当たり前で。
確かに晶葉先生と、お兄ちゃんの二人は付き合っているはず。
そう……二人は恋人同士のはずだ。
しかもお兄ちゃんがプロポーズをして、オッケーも貰っていたはずだ。
なのに……なぜだろう。どうしてか、二人の関係に変化は見られていない。