小さな願いのセレナーデ
そしてレッスンが終わった頃、ちょうど昂志さんが目覚めたらしい。
「お疲れ様です。ユキさんにお迎え頼んで、さっきまでレッスンしてました」
「え?あぁ、わかった」
リビングに荷物を取りに行くと、時計を見てはキョロキョロと周りを見回していた。
寝ている自覚が無かったらしい。
「瑛実は?」
「さっき弦を切っちゃったんで、張り替えてます。じゃぁ私は失礼しますね」
「そろそろ迎えが来るから、ついでに送る」
断ろうと思っていたが「俺一人じゃないからいいだろう」と。
まぁ、ちょっと彼を避けてたのはさすがに気付いていたらしい。
「こんなに昼寝をしたのは、久しぶりだ」
「ええ、殆ど寝てないと……」
「君の前だと説得力無さそうだけどね」
そう言って苦笑いしている。
「普段は夜も三時間ぐらいしか寝れないんだ」
「三時間?!」
「それで起きて、また明け方一、二時間寝るって感じ」
えっ…とあのウィーンの日々を思い出す。
別に彼のことを、睡眠が短いと感じたことはなかった。私が寝る時間には寝てて、朝も普通だった気がしている。
「お疲れ様です。ユキさんにお迎え頼んで、さっきまでレッスンしてました」
「え?あぁ、わかった」
リビングに荷物を取りに行くと、時計を見てはキョロキョロと周りを見回していた。
寝ている自覚が無かったらしい。
「瑛実は?」
「さっき弦を切っちゃったんで、張り替えてます。じゃぁ私は失礼しますね」
「そろそろ迎えが来るから、ついでに送る」
断ろうと思っていたが「俺一人じゃないからいいだろう」と。
まぁ、ちょっと彼を避けてたのはさすがに気付いていたらしい。
「こんなに昼寝をしたのは、久しぶりだ」
「ええ、殆ど寝てないと……」
「君の前だと説得力無さそうだけどね」
そう言って苦笑いしている。
「普段は夜も三時間ぐらいしか寝れないんだ」
「三時間?!」
「それで起きて、また明け方一、二時間寝るって感じ」
えっ…とあのウィーンの日々を思い出す。
別に彼のことを、睡眠が短いと感じたことはなかった。私が寝る時間には寝てて、朝も普通だった気がしている。