小さな願いのセレナーデ
「……ちっ、迎えかな」
手をパッと離して、モニターの方に向かっていった。
私は呆然とそれを眺めながらも、バクバク鳴り響く心臓を押さえるのに精一杯。
久しぶりに間近で、しっかりと彼の顔を見た。
それがずっと、余韻のように残っている。
振り返った彼は、また私に近付いてくる。
「出るから準備して」
そう耳元で囁くと──最後に頬にキスを落としていく。
(ぎゃっ……)
あまりに恥ずかしくて逃げたしたくなるが…彼は平然と荷物を纏めている。
ぶんぶんと頭を振って、さっきまでの彼の顔を振りきると、私も準備に取りかかった。
地下の駐車場に居たのは、あのホテルで一緒に居た男性だった。
彼は久我大輔といって、一応又従兄弟に当たるのだと紹介された。一番の部下であり、一番近い身内だとも。
「君のことを調べてくれたし、三年前のことも知ってるから」と言うことで、私達の微妙な関係は知っているらしい。
そして恐らく、初めて碧維を見た日にも一緒に居たんだろう。車はあの日と同じ車だ。
手をパッと離して、モニターの方に向かっていった。
私は呆然とそれを眺めながらも、バクバク鳴り響く心臓を押さえるのに精一杯。
久しぶりに間近で、しっかりと彼の顔を見た。
それがずっと、余韻のように残っている。
振り返った彼は、また私に近付いてくる。
「出るから準備して」
そう耳元で囁くと──最後に頬にキスを落としていく。
(ぎゃっ……)
あまりに恥ずかしくて逃げたしたくなるが…彼は平然と荷物を纏めている。
ぶんぶんと頭を振って、さっきまでの彼の顔を振りきると、私も準備に取りかかった。
地下の駐車場に居たのは、あのホテルで一緒に居た男性だった。
彼は久我大輔といって、一応又従兄弟に当たるのだと紹介された。一番の部下であり、一番近い身内だとも。
「君のことを調べてくれたし、三年前のことも知ってるから」と言うことで、私達の微妙な関係は知っているらしい。
そして恐らく、初めて碧維を見た日にも一緒に居たんだろう。車はあの日と同じ車だ。