No rain,No rainbow
気がついたら、朝になっていて、右手には律さんの左手がしっかり繋がれていた。

その薬指には、ペアリング。

そのリングの先は、私の左手に繋がっているなんて。

同じ朝を迎える、シアワセ。

くちびるにはまだ、律さんのキスが残っているようで。

でも、もうすぐ消えてしまいそうな感覚に襲われて、まだ眠っている律さんのくちびるに口づけた。

ゆっくり、体を離したら、

「どうして、逃げるの?」

私の腕をゆるく掴んだのは律さんの右手。

ぬくい体温が流れ込んでくる。






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