No rain,No rainbow
「…今日、早かったんです、ね…?」

体を私から離した律さんは、そのまま私の体に両手を添えて、私の体をくるりと反転させた。

ビールの棚の前で向き合う、シアワセな恋人同士。

防犯カメラに、自慢、しちゃいます?

私の目を見る、いたずらッコは果たして、天使か悪魔なのか…

「…は…恥ずかしいので…続きは、部屋で…」

私の消え入りそうな声を、相変わらず丁寧にすくい上げてた律さんは、

「それは残念だなぁ、自慢、したかったんだけど、ね?」

ビールをもう一缶、カゴに入れて、そのままカゴを持ってくれた。




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