No rain,No rainbow
もうすぐ半袖も終わっちゃいますねぇ。

しみじみとつぶやく律さん。

「なにがおかしいんですか?」

隣で微笑む私を見て、律さんが穏やかに聞いた。

「…なんだか律さん、おじいちゃんみたいだったから」

「おじいちゃんって、失礼な!!」

確かにオレは、トシですけどね。

なんて、少し膨れる横顔は愛おしい。

「…ほんとう、は…」

「…ん…?」

話してもいいものなのか、本当に感じていることをそのまま言葉にしてもいいのか…

「どうしました?」

悩む私に、立ち止まった律さんは、いつまでも待ってくれた。


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