No rain,No rainbow
「今までずっと、細心の注意を払って周りに気が付かれないようにしていたんです」

だって、夜になったら自動的に泣く男なんて、気持ちが悪いでしょう?

だから、あの日もあなたにだけは知られたくなかった。

俺はもう、あなたを好きになっていたから。

あなたが、戻ってきたオレの目の変化に気がついてくれて、しかも「大丈夫ですか?」って、心配してくれたでしょう?

あの時に、いつかあなたに話したいと思っていたんです。

あなたなら、受け入れてくれるんじゃないかと。

オレを、救ってくれるんじゃないかと。



「…オレは、殺したんです。親父を」


< 282 / 551 >

この作品をシェア

pagetop