No rain,No rainbow
とりあえず、律さんにソファーに座ってもらって、紅茶を淹れる。

「さっき別れたばかりなのに、どうしたんですか?」

紅茶を渡しながら聞いた。

「うん?あなたにもう、会いたくなったからに決まっているでしょう?」

当然のように答える横顔は、優しい。

「いや、私だって、いっときも離れなくない、ですけど…」

「…って、あなたはほんっとうに…」

自覚してます?

オレに爆弾落とすの得意なこと。

腕を掴まれて、そのままソファーに倒された。

私を見下ろす律さんの目は、優しくて。

最近は寂しそうな表情も減った気がする。

毎日23時は、ただ律さんの隣に座って、手を握っているだけだけれど。

「あなたの存在は大きな救い、です」

微笑んでくれる、律さんの姿が嬉しい。




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