No rain,No rainbow
16.
「律さん…」
ほの暗い、ちいさな部屋の中。
でも、悲壮感や絶望感は、ない。
その事実に救われながら、今夜も律さんの涙に、寄り添う。
少し前までは、23時になる直前に、律さんの背中を抱きしめていた。
涙の理由を知っていても、泣くところを見られたくないだろうなぁと、勝手に想像していたから。
いつものように、律さんを抱きしめた私に、その日は、
「…詩さん…顔を、見せて…」
耳元から、律さんの声が響いた。
・
ほの暗い、ちいさな部屋の中。
でも、悲壮感や絶望感は、ない。
その事実に救われながら、今夜も律さんの涙に、寄り添う。
少し前までは、23時になる直前に、律さんの背中を抱きしめていた。
涙の理由を知っていても、泣くところを見られたくないだろうなぁと、勝手に想像していたから。
いつものように、律さんを抱きしめた私に、その日は、
「…詩さん…顔を、見せて…」
耳元から、律さんの声が響いた。
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