No rain,No rainbow
「…お前、止めなきゃしてたのかよ…?」

もう、呆れ顔の橘さんに。

「…ど…っ?うぇっ…?!そんなこと、あるわけないじゃねーか」

しどろもどろ感が、可愛らしすぎて笑ってしまう。

「あ!まーた、あなたはひとりで笑ってる!」

あなたも立派な共犯なんだから!!

ふざけてつねられた頬。

その指先までぬくい温度に、感じる、大きな安心と嬉しさ。

にやにやが止まらない、ぬくくてやわらかなこの空間。空気感。

律さんのまわりに集まるのは、ぬくいひとたち。

あ、もしかして私もその一部?

気づいてまた、笑顔になる。


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