No rain,No rainbow
「さすが、上手だなぁ」
私の右手を持ち上げて、親指から小指まで一本一本、ゆっくりと眺めてゆく律さん。
触れる指先は、優しく、気持ちがいい。
思わず声が漏れそうになって、焦る。
そんな私を、知ってか知らずか。
「この色、選んで正解だった、ね?」
私の手元から、私の目に視線を、移した律さん。
その拍子に、律さんの濡れた前髪から雫が一滴、目の下に流れた。
ちょうど、律さんの右目の下に落ちた雫はそのまま頬まで流れそうになる。
思わず、人差し指と中指でその雫を拭った。
涙ではない雫を拭えるのも、なんだか、シアワセ。
・
私の右手を持ち上げて、親指から小指まで一本一本、ゆっくりと眺めてゆく律さん。
触れる指先は、優しく、気持ちがいい。
思わず声が漏れそうになって、焦る。
そんな私を、知ってか知らずか。
「この色、選んで正解だった、ね?」
私の手元から、私の目に視線を、移した律さん。
その拍子に、律さんの濡れた前髪から雫が一滴、目の下に流れた。
ちょうど、律さんの右目の下に落ちた雫はそのまま頬まで流れそうになる。
思わず、人差し指と中指でその雫を拭った。
涙ではない雫を拭えるのも、なんだか、シアワセ。
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