No rain,No rainbow
カランカランと、ドアベルが鳴って、同時に赤いチェックのエプロンを着けた店員さんの「いらっしゃいませ」の声が響いた。

ちいさく会釈を返して、ショーケースを覗き込んだ。

「…わぁ、キレイ」

思わず、声に出さずにはいられない程の色の洪水に、おそわれた。

赤、オレンジ、緑、黄色…

そこには、気持ちが明るくなるほどのフルーツサンドが並んでいた。

どれにしよう?

ウキウキしながら、ショーケースの端から端まで目線を走らせる。

やっぱり…


「いちごサンド下さい!!」







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