No rain,No rainbow
「…あなたってひとは、ほんとうに…」

オレの感情を全部、持っていってしまうんですよ。

必ず、プラスの方へ。

「じゃあ、涙が止まったのは、あなたと親父と母さんのおかげ、ですね」

律さんの穏やかな笑顔が、嬉しい。

「はい」

大きく返事を返したら、ぱっと夜が明るくなった気がした。

たくさんたくさんおしゃべりをして、真夜中と夜の狭間にふたりで迷い込む。

私たちのおしゃべりがふわふわと舞うこのちいさな部屋で、朝を待つ、シアワセ。


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