刻を越えて叶える恋夢
キーンコーンカーンコ〜ン
学校のチャイムが鳴る。
前の学校より、少しゆっくりめなチャイムが今の葵には心地良い。

はずだった...。

朝の会、転校生紹介で葵は自己紹介をしていた。きっと誰も聞いてないくらいの気持ちで、

「家庭の都合で...白川葵です。よろし」

最後までいう前に…、

「あ〜 ︎葵じゃん。よろしくなっ!」

一番後ろの席で制服を着崩してニコニコと笑う、ちょっと顔面偏差値高めの男の子。

(おまえにだけはよろしくされたくない。)

従兄弟で現在居候先の息子、貴志だった。

そもそも、どうして学校を転校することになったかというと...。
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