愛しの君がもうすぐここにやってくる。
そう思うと同時にいきなり周りの景色が歪んで見えた。
え?ちょっ、待って!
なにこれめまい?
怖くて思わず目を閉じてしまう。
時親様・・・、呼ぼうとしても声がうまく出ない。
どこからか「しっかり私に掴まって・・・!」時親様の声が聞える。
私が差し出した手を掴む感触、時親様だと理解して少し恐怖が消える。
それからどれくらいの時間、揺れていたのか。
私がここに来たときの感覚と似ているようで違う。
少しずつさっきまで感じていた変な感覚が落ち着いてきたような・・・?
私はそっと目を開ける。