愛しの君がもうすぐここにやってくる。
「再会を喜んでいるのも今のうちですよ・・・」
知徳法師の声が聞こえたと同時に大きく手をふりかざしなにかを掴んだかと思うと竜巻を作り、手のひらに乗せた。
そしてこちらに向けて投げてきた。
竜巻は降っている雨も巻き込み、小さな嵐になって時親様と私の方へ向かってやってくる。
「どうか側を離れないように」
そう時親様が言って背中にまわしていた腕を放す。
そして彼は私たちの周りに結界をつくり、その邪悪な嵐が入ってこれないようにする。
「清明殿が作られた結界ならまだしも、時親殿程度が作られたものなら、この私が直に崩してみせましょう」
そう知徳法師が言うと、次々を嵐を作り出し、結界に向けて飛ばしてくる。
時親様も結界を崩されないように激しく憤った表情で応戦する。
投げられた嵐のひとつが跳ね返り、知徳法師に当たり、彼の足下がふらつく。
知徳法師がこれ以上、投げられないと確信した時親様は手を下ろして言った。
「早く雀躍を見つけなければ・・・」
「そう、桔梗さんが雀躍を探しに行くって言って・・・」
「早く見つかるといいのですが」
心配そうな表情をして彼が言う。