愛しの君がもうすぐここにやってくる。
そんな話をしていると結界の背後から雀躍の声が聞えた。
「知徳法師っ!
オマエ、あのときはよくも・・・!」
雀躍はいつもと違う形相になり知徳法師に駆け寄る。
「雀躍!止めなさい!」
時親様が結界を解いて雀躍に手を伸ばし止めたけれど、雀躍は聞こえなかったのかそのままふらついている知徳法師に飛びかかる。
「時親様!
申し訳ございません!」
狐姿の桔梗さんもどこからともなく姿を現して雀躍を止めようと飛びついた。
でも一瞬にして桔梗さんははね飛ばされてしまう。
うそ、雀躍ってそんなに力強いの?
桔梗さんを跳ね飛ばすくらいの力で知徳法師に向かっていったものの、ニヤリと小さく笑った智徳法師から放たれた光に大きく跳ね返されてしまう。
そして雀躍は木の幹に背中をぶつけてそのまま倒れ込んでしまった。
「雀躍!」
私は慌てて雀躍の側に駆け寄る。
「雀躍!大丈夫?」
私の声かけにゆっくりと目を覚ます雀躍。
でも身体中、傷だらけになっている。