愛しの君がもうすぐここにやってくる。
なにがどうなってんだか…。
夢?だったら寝て起きたらこんな変な世界もハイおしまいって感じで。
うん、だから大丈夫、そう自分に言い聞かせる。

早く夢、覚めてくれないかな。
リアルすぎるだけに疲れてしまう。

そう思いながら再び、枕もとを見ると通学リュックの横に見覚えのあるものが?
手に取り、中を確かめると。
あ…、たい焼き。
なんだ、私。
夢の中まで食い意地はっているなあ、
なんて思ったって今は食べる気力もない。
なんだかすごく疲れている感じ。
ため息ついて天井を見上げる…と。

……え!

ちょ、ひと?しかも子ども!

なんで天井にいるのっ!
天井に蜘蛛ように四つん這いになって着物姿の幼稚園児くらいの子どもがじっと私の方を見ていた。

わ、目が合った!
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