愛しの君がもうすぐここにやってくる。
泣きそうになってる?
ああ、きっと空が、さっきよりも、暮れて、茜色で、
でもそんな情景なんかで泣くなんて、今までなかったのに変な私。
言葉を発することもなく西の方を見つめぼんやりとする私の肩をカオリがトントン、と叩く。
「どしたん?」
そっと彼女は私の顔をのぞき込むように聞く。
「え?泣いてんの?」
泣いてる、その言葉で涙が落ちる。
心細くなってポケットにいつも入れて持ち歩いているアメジストをぎゅっと握る。
いつからなのか、どこでどうして手に入れたものなのか全くわからないものなのだけれど。
気付けばずっと大事な物として持ち続けてきた石。
不安な時や心配事のあるときにぎゅっとにぎっていると不思議と温かい気持ちになり、
少しずつ気持ちが落ち着き安心できる。
金具がついていた跡があったからたぶん、なにかアクセサリーだったのだと思う。
でもそれが何だったのかわからない。
うつむいたままいる私に彼女は気遣ってか、ふっとやさしく笑ったように見えたけれど
でもそれ以上、何も聞かなかった。
ああ、きっと空が、さっきよりも、暮れて、茜色で、
でもそんな情景なんかで泣くなんて、今までなかったのに変な私。
言葉を発することもなく西の方を見つめぼんやりとする私の肩をカオリがトントン、と叩く。
「どしたん?」
そっと彼女は私の顔をのぞき込むように聞く。
「え?泣いてんの?」
泣いてる、その言葉で涙が落ちる。
心細くなってポケットにいつも入れて持ち歩いているアメジストをぎゅっと握る。
いつからなのか、どこでどうして手に入れたものなのか全くわからないものなのだけれど。
気付けばずっと大事な物として持ち続けてきた石。
不安な時や心配事のあるときにぎゅっとにぎっていると不思議と温かい気持ちになり、
少しずつ気持ちが落ち着き安心できる。
金具がついていた跡があったからたぶん、なにかアクセサリーだったのだと思う。
でもそれが何だったのかわからない。
うつむいたままいる私に彼女は気遣ってか、ふっとやさしく笑ったように見えたけれど
でもそれ以上、何も聞かなかった。