愛しの君がもうすぐここにやってくる。
相手が人間でなくても優しいんだ。
でも考えたら私も人間だけど、人間じゃないようなもんだし。
この時代のいろんな生活習慣にびっくりして戸惑っていると時親様は私の時代に合わせてくれる。
だから最近では驚くことも少なくなってきた。
だいたい時親様がいなかったらどこかで野垂れ死んでいたかも・・・。
そう考えると少し怖くなって目をぎゅっと閉じて首をブルブルっと振る。
「紫乃、おい、聞いてんのか?」
「あ、ごめん、聞いてる。
あー、でもさ、それならなんで雀躍はここに来てんの?」
「それは母ちゃんの代わりに式になるってことで仕えてる。
でもまだ子どもだからってあんまり相手にされないんだよなあ」
そう言って頭の後ろで手を組んで少し拗ねたような表情を見せた。
確かにいくら鬼ってもこんな小さい子を仕えさせるのはちょっとね。
「まあ要は雀躍がまだ小さいから役不足って思われてんのかもね」
そう言ってふふと笑う。
「なんだと?!」