ウソツキハート



「…あらたが、怖い…、やさしい、から…」



するっと口をついて出てきたのは、今のあたしの素直な気持ちだ…。



だっていつか、居なくなってしまうんでしょう?



あたしなんか、最初から存在しなかったもののように、まるで遊び飽きた玩具のようにいとも簡単に手放すでしょう…?



逆らえない命令や、言葉や、体温や香り。



そうして、たまに見せる優しさを遺して。



あたしはまた、この部屋で独り、ぽっち。



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