ウソツキハート
あたしの体に馬乗りになって、目がすっかり醒めるような冷たい視線を向けている。
「…お、重たいんだけど。」
上目遣いで睨めば。
「ふーん。あ、そ。」
気のない返事を返してくる。
「…い、痛かったんだけどっ!鼻!!」
両手で、あらたに噛みつかれた自分の鼻を大袈裟に覆えば。
「――!!…」
そのあたしの両手を片手でいっぺんに掴んだ。
「どれ?見せてみ?」
口調は穏やかだけれど、両手首を掴まれて頭の上のシーツに縫いつけられてしまえば、あたしにもう、反論の余地はない。
.