ウソツキハート
「ふーん。そんな態度、俺に向かってとっていいんだ?」
わざとあたしの耳元で囁く。
目を閉じて、顔をそむけてしまったことを後悔した。
あらたの目の前に、あたしの耳が晒されてしまったから。
こんな状況を、この男が見逃すわけがない。
「…あ…!」
思わず出た声は、自分の羞恥心を煽るには十分で。
剥き出しのあたしの耳に、あらたが息を吹き込んだのだ。
ぞわぞわとした、痺れるような快感が足元から頭の先まで突き抜けた。
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