ウソツキハート
当然のことながら、近くにいたガードレールにもたれる男は、手を差し出してダンボールを支えた。
「やーん!お客さまなのに、すみませーん!ありがとうございますぅ!!」
などと、可愛らしい声をあげていた。
確か前の美和ちゃんファンは、美和ちゃんにおでんをオーダーしたのだけど、火傷したのだ。美和ちゃんが。わざとらしく。
「あっつーい!!火傷しちゃいましたぁ。お客さまは大丈夫でしたかぁ??」
と、それはそれは可愛らしく尋ねられた男性客は、3日後には美和ちゃんにしつこく言い寄るようになっていた。
「美和、なんでか知らないんですけどー、すぐ男の人に好かれちゃうんですよぉ。」
困ったように微笑んで。
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