ウソツキハート



「…あんず。見せろ。顔。」



耳元で呟かれたあらたの声。



ゆっくりあらたから体を離した。



「もっとよく、見せてくれよ。」



あらたの真っ直ぐな瞳に応えるように、



「あらた。ありがと。」



ゆっくりあらたに伝えれば。



「お前…そんな顔もするんだな。」



少し驚いた表情のあらた。



「お前いつも、哀しそうだったり、痛そうだったり、切ない顔してたから、そんな風に笑えるなんて知らなかった。」



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