ウソツキハート
今日の仕事も、気がつけばあと10分で終わる。
店内の時計を確認して、品出しをする手を早めた。
来客を告げる『ピンポーン』と、間延びした音がなる。
お客さんは他にいないし、レジは美和ちゃんに任せておいて大丈夫だろう。
そう判断をして、黙々と品出しを続ける。
「きゃ~!また来て下さったんですねぇ!美和、待ってたんですよ~!!」
甘えたような、媚びを売るような美和ちゃんの声が店内に響いた。
棚と棚の間からじゃ見えないけれどまた、美和ちゃんのファンがやってきたんだろう。
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