ウソツキハート
いつも、息が整うまでぐったりだ。
激しかったり、優しかったりするセックス。
残さずあらたを受け入れたいから、あたしは感情を使い果たす。
「あんず。」
ふいに隣のあらたがあたしを呼ぶ。
こんなに近いのに、鼻と鼻が触れ合う距離なのに、あたしはいつも不安だ…。
首だけを動かしてあらたを見れば。
「やる。枕。」
あたしの首の下に差し込まれた、あらたの腕。
夢中すぎて気がつかなかった、あらたの香水が漂う。
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