ウソツキハート



黙っていると、



好きか?俺を…。



重ねられる質問の意図に、冷静な判断が出来なくて。



ただただ、あらたを見つめ返した。



「…あんず…。」



その響きは甘くって。



その甘さに捕らえられたまま、ゆっくり目を閉じた。



くちびるに感じる柔らかな熱。



「あんず。好きか?」



耳元で囁かれる。



知ってる、くせに…。



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