ウソツキハート



うつらうつらしていた。



あらたの腕に抱かれながら。



頭を動かして時計を確認すれば、そろそろ夜明けだ。



だいぶ長い間、あらたの腕枕で眠ってしまった。



疲れるだろうし、痺れているだろう。



そっとあらたの腕から抜けようとすれば、



「…逃げんなよ…」



それより早く、あらたがあたしを抱き締めた。



「起きてたの…?」



「今、起きた。」



がっちりあたしを抱き込んだあらた。



素肌と素肌が触れ合うことは、どうしてこんなに気持ちがいいんだろう。



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