ウソツキハート
はぁはぁと切れる息の合間に、嗚咽が混じる。
そんなあたしの様子に気がついたあらたは、急に立ち止まったと思えば、
振り返った勢いのまま、あたしを強く抱き締めた。
「ワルい。お前を2度と離したくないと思ったら、勝手に足が動いてた。」
落ち着け。
あたしの背中を撫でる右手がひどく、優しい。
その温度に、全てが白紙に戻る気がした。
あたしとあらた。
あらたの香りの名前のように、白に戻ろう…。
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