ウソツキハート











  

 「一緒に暮らさないか。ここで。」



時が、止まった。


びっくりして、嬉しくて、嬉しすぎて、顔を上げられない。


「あんず。俺を、見ろ。」



いつものように、一言ずつ句切られた、あらたの言葉。


ゆっくり顔を上げれば。


「返事は?」


少し、ぶっきらぼうなその口調も、愛おしい。



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