ウソツキハート



あたしを見下ろす、冷たい、目。



その冷たさに、視線を外すことはできない。



「あんず。脚、開け。」



そんな命令に、びくんと跳ねる心臓。



思わずぎゅっと目を瞑れば。



あたしの耳元にくちびるを寄せたあらた。



「同じこと、2回も言わせんな。脚、開け。」



そんな命令は、あたしの力を奪う。



力の抜けたあたしの半身。



あらたの腿があたしの脚と脚の間に割り込んでくる。



「力抜いとけ。優しくしてやんねーぞ?」
















……あぁ…そうして今日もあたしは、墜ちてゆく…。



.
< 41 / 373 >

この作品をシェア

pagetop