ウソツキハート
あたしを見下ろす、冷たい、目。
その冷たさに、視線を外すことはできない。
「あんず。脚、開け。」
そんな命令に、びくんと跳ねる心臓。
思わずぎゅっと目を瞑れば。
あたしの耳元にくちびるを寄せたあらた。
「同じこと、2回も言わせんな。脚、開け。」
そんな命令は、あたしの力を奪う。
力の抜けたあたしの半身。
あらたの腿があたしの脚と脚の間に割り込んでくる。
「力抜いとけ。優しくしてやんねーぞ?」
……あぁ…そうして今日もあたしは、墜ちてゆく…。
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