ウソツキハート
4.
静かな部屋。
ただ聞こえるのは、余裕のある、男の息づかいと、
「…ん…っ…―あ…っ!!」
それとは対照的な、息継ぎのタイミングさえ忘れた、あたしの吐息で。
自分でもイヤになるくらい、甘ったるい音が漏れ続けている。
あぁ…もう…、
思わず手のひらで両耳を塞いだ。
今だけ。今だけでいいから、音が消えてほしい…。
と……、
「なに、やってんだ。」
あたしを見下ろす、冷たい、目。
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