一途なハイスペック御曹司はお姫さまに夢中。
心の中の胸騒ぎに気づかないフリをして、私は静かに2人の向かい側に座る。
マサくんも女の子も、バツの悪そうな顔をしていた。
表情でなんとなく分かるよ。絶対良い話じゃないよね。
「真姫さん……疲れてるのに呼び出してごめん」
「それは良いんだけど、話ってなに?」
「隣にいる子が好きだから、俺と別れてほしい」
「…………え?」
ドクンッ
ああ、やっぱり。
できれば当たって欲しくなかった、嫌な予感が的中した。
突然マサくんから別れを告げられて、一瞬頭が真っ白になったけどなんとか冷静を装う。
「浮気してたの?」
「それは違う」
浮気はキッパリと否定したマサくん。
「……じゃあ、私のどこが悪かったの?」
「真姫さんが悪かったとかじゃなくて……」
マサくんが歯切れが悪そうに説明し始める。
マサくんの隣に座る女の子は、同じ大学のサークル仲間のミサキちゃんと言うそうだ。