政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
「ところで、聞きたいことがある」
「何?」
眠ろうと目を閉じるが、彼の声が鼓膜を揺らし私は目を開けた。
「今日、何杯飲んだの?」
「え…?」
質問の意図が掴めずにいたが「二杯だけ」と素直に答えた。
すると彼は再度口を開く。
「アルコールは最初の一杯目?」
「うん、そうだけど…どうしたの?」
「いや、何でもない」
彼はそう言うと私の背中に手を回し強く抱きしめる。何が聞きたかったのか不明だが、今日はもう寝よう。彼の胸の中は、緊張もするのに同時に幸福な気分もなる。
この人とできれば一生一緒にいたい。たとえ、一生片思いだとしても。