政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】

―子供

私は、政略結婚の意味を理解していなかったのかもしれない。
自由恋愛であればそれこそお互いの価値観で決めればいいことだ。
しかし政略結婚となれば、結婚の意味は大きく変わってくる。私たち二人だけの問題ではない。

その日の夜はなかなか寝付くことが出来なかった。楓君と一緒に寝ると緊張はするが同時に温かい気持ちになれる。だからなのかぐっすりと眠ることが出来る。本当は彼の部屋に行きたかった。でも今、それをすることは出来ない。

楓君との将来を、未来を二人で考えていかなくてはいけない。

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「はーい、じゃあ今日からということなのですが…一週間はねベテランの山内さんと一緒に仕事をしてもらいます。ちなみに清掃は、チェックアウトが済んだらすぐに行います。だいたい一部屋15～20分くらいですね。髪の毛一本残さないように。どこの客室の清掃をするかは当日分担票を渡すので」
「わかりました」

今日は楓君から紹介を受けたホテルの清掃のお仕事に来ていた。