政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
飛行機に乗るのは久しぶりだ。
シートに腰かけた途端襲ってきた睡魔はやはり昨夜の睡眠不足のせいだ。
眠そうに顔を顰める私の横でクスクスと笑う彼は
「昨日はそんなに眠れなかった?」
と楽しそうに問う。
「…うん。ちょっと色々と…」
まさかエッチな本を読んでいました、なんて言えるわけもなく曖昧に答える。
「ふぅん、そっか」
せっかくの旅行だから移動時間も楽しみたいと思っていたのに気づくと眠ってしまっていたようで「日和」と私を呼ぶ声で顔を上げたときには既に沖縄に到着していた。
「えっ…?もう着いたの?」
「うん。到着したよ」
瞼を開けるとすぐそばに彼の顔があった。思わず体を反らせるとそれが気に入らなかったのか楓君の表情が曇る。
「起こしてくれて…ありがとう」
「随分と気持ちよく眠っていたから」
「…寝顔はあまり見ないでほしいな。恥ずかしいよ」
「なんで?夫婦なんだからそういうところも全部みたい」
そうだね、と返したものの全身を巡る血液が沸騰するようにカッと体が熱を持つ。
シートに腰かけた途端襲ってきた睡魔はやはり昨夜の睡眠不足のせいだ。
眠そうに顔を顰める私の横でクスクスと笑う彼は
「昨日はそんなに眠れなかった?」
と楽しそうに問う。
「…うん。ちょっと色々と…」
まさかエッチな本を読んでいました、なんて言えるわけもなく曖昧に答える。
「ふぅん、そっか」
せっかくの旅行だから移動時間も楽しみたいと思っていたのに気づくと眠ってしまっていたようで「日和」と私を呼ぶ声で顔を上げたときには既に沖縄に到着していた。
「えっ…?もう着いたの?」
「うん。到着したよ」
瞼を開けるとすぐそばに彼の顔があった。思わず体を反らせるとそれが気に入らなかったのか楓君の表情が曇る。
「起こしてくれて…ありがとう」
「随分と気持ちよく眠っていたから」
「…寝顔はあまり見ないでほしいな。恥ずかしいよ」
「なんで?夫婦なんだからそういうところも全部みたい」
そうだね、と返したものの全身を巡る血液が沸騰するようにカッと体が熱を持つ。